にっきもどき。

ちんぽから社会問題まで広く扱いますが日記らしい日記はひとつもないらしいです。現場からは以上です。

モウア・キデ・スヨネ

秋といえば、なんですか?食欲ですか?芸術ですか?スポーツですか??ファッションですか?読書ですか?なんですか?

どう考えても空気の秋ですよね。

 

こんばんわ。はるぎくこです。

 

今週のお題秋の空気」らしいです。 

 

秋ってやっぱ金木犀の香りが良いじゃないですか。

 でも金木犀の香りがして思いっきり息を吸い込んだら銀杏のくっせ~~~匂いが鼻から肺に入ってうわ~~~~ってなることありますよね。

 

ということで、今日は小さな秋を見つけに街を散歩してみました!

写真を見ながらレッツレポート♪

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玄関を出てしばらく呆然としていた。

 

私の住んでいる街は、都心から離れたいわゆるベットタウンだった。

 

街全体はコピペを施したような一軒家がマスゲームのようにきれいな等間隔で並び、それを見下ろすようにポツンポツンとバカでかいマンションが外観を損なうように居座っている。

ここに住む男たちは皆夜には睡眠を貪るためだけに家路につき、朝になると皆囚われたように始発の電車に乗って都心に吸い込まれていくのだ。

もともとは田畑だったこの土地は、ここ数年で急激に発展したせいか街全体に娯楽はなく、あるのはせいぜい大型スーパーとTSUTAYAくらいである。

 

 

今日は祝日で休みなので、本当なら家族サービスに汗を掻く父親たちがいつもより少しだけ長く眠りを得た代償に、まだローンが36回も残ってるマイカーに乗って、嫁と一人娘がじゃらんで見つけたパワースポットまで送迎をしなければならない。

 

ただ私は独身だ。なにもないこんな街で数少ない単身者用のマンションに私は住んでいる。娯楽もなにもないがこれはこれで気に入っている。スーパーにはスタバもあるし、最近のTSUTAYAは旧作も安い。

 

昨日は、ストロングゼロとスーパーで勝ってきたナスとシーチキンをポン酢で和えた一品でよろしくやりながら、借りてきた「オデッセイ」を見ながら「私ならたぶん死んじゃうな…」とだらだらしていたので、周りのパパさんたちの憂鬱など関係なく昼過ぎまでゆっくり眠る予定だった。

 

そう予定だったのだ。

 

ドンドン!!ドンドンドン!!!

 

まだ朝の7時だ…

 

ドンドン!!ドンドンドン!!!おーい!

 

うるせぇ…きっと夢だ…

 

ドンドン!!あんた!もう勝手に入るで!ドンッ!ドンッドンッ!

ドアを叩く音から足音にビートを切り替えて、急な来客は、聞き慣れた関西弁とともにするりと部屋に入り込んできた。

 

カーテンからはまだ輝かしい太陽に光がこれでもかというくらい二日酔いの私を照らし、脳内ではセロトニンが分泌されていく。

関西弁の主でもある母親は、昨日私が飲みきれなかったこだわり酒場のレモンサワーの缶を手に持ってそれを一気に飲み干した。

 

「かぁ~~~~!朝からビタミンCたっぷりとれて気持ちがいいわ~」

「あんた全然連絡よこさないじゃない?だから遊びに来てあげたんだけど、それにしてもきったない部屋ね~」

「お母さんが掃除してあげるからあんなちょっと散歩でもしてきなさい!」

 

まだ一言も会話をしていないがどうやら今から外にいかなければならないらしい。

これが夢ならどれだけいいか。。。二日酔いの気持ちの悪さが辛い現実に拍車をかけてくる。だめだ。このままだと精神を保てない。

癪だがひとまず母親の言うことに従って外に行こう。

コンビニに行ってなんかしじみの味噌汁でも飲んで立て直そう。

顔を洗って、適当に着替えて、私は家を出た。それでも準備には30分かかり、その間にも母親は吉本新喜劇から飛び出してきたようなトンチキな会話を繰り広げており、実家から飛び出してきた彼女はまさに異質な存在であった。

しかしこんな朝早くどうやってここまで来たんだ…まさか深夜バスで来たのか…

都内からここまで電車で50分はかかるから始発の新幹線に乗ったとしてもこんなバカ早い時間にはこれそうもないし。まだスカーレットだって始まってない。

 

昔から私の母親はこうだった。

小学校3年生の秋の遠足のときもそうだった。

 

前日から持ち物リストを作成し、忘れ物に余念がなかった。

一番の楽しみであるおやつもしっかりかばんにいれてその日は休みについた。

 

300円という限られた金額のやりくりはもはや一つのゲームのように楽しかった。

当時はまだ20円だったセコイヤチョコレートは、質・値段ともに大満足だったし、ラーメンババア、タラタラしてんじゃねーよ、占いチョコやサッカーボールのゼリー、ビックカツ…レギュラーに選出されていった駄菓子たちの大トリを飾るのは、端数をうまいように埋めてくれるうまい棒のサラダ味だった。

 

学校についてバスに乗り込み、さておやつタイムと洒落込もうとしたその時、かばんに違和感を感じた。予感は的中。今日の朝も確認したはずなのにおやつがなくなっている。その代わりに、一枚の紙と芋けんぴが入っていた。

「ごめんね、美味しそうだったから交換しておきました。母より」

むちゃくちゃだ。ちなみに芋けんぴは500円の商品だったので、先生に没収された。

 

高校の修学旅行で京都に行った時は、私がパンツを忘れていたようでわざわざ母は清水寺を観光途中だった私のところまでそれを届けに来た。その日から私のあだ名はパンツになったし、この現実が消えるなら飛び降りても良い…と思った。

 

地元を離れて東京の大学に進学したのもそれがきっかけだ。

なのでほとんど地元には帰っていない。2年前のおじいちゃんの葬式が最後だ。

とにかく母親の行動はいきあたりばったりで行動が読めないのである。

 

なので今日の訪問もきっとトラブルを有無に決まっているし、なんならすでに私は被害を受けている。

 

カーテンが開いたときの青空はどこへやら、今はすっかりとどんより雲に覆われた空が私の憂鬱な気持ちを更に加速させていく。肌寒いとも言えず、その辺りをぶらぶらと行くアテもなく散歩するには丁度いいが、コンビニの前で味噌汁をすするには少し暑すぎる。

こんなことならハイチオールCでももってきたら良かった。

結局、ウコンの力、ほっとコーヒー、菓子パンといういびつな組み合わせになってしまった。ウコンはその場で飲み干してゴミ箱に投げ捨てた。

 

近所の公園にでも行こう。

道中、イチョウ並木を通り過ぎながら秋の訪れを改めて感じた。

 

この前までは銀杏臭かったのに今は少し金木犀の香りがしてる。

あーなんか私ちょっとだけ秋満喫してるかも…

 

イチョウ並木はきれいだし

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銀杏は踏み潰されてたりもうだいぶだって乾燥してたり踏み潰されてたり

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よくわからないきのこが生えてたし

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これで天気がよかったらな~

 

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!?

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雲!?いや、蜘蛛!?

 

そらとぶ蜘蛛!?!?うわあああああああああ…こわいよおおおおあおお

 

 

 

 

 

え?あ、あ、いや、あの、え?ひょえ?

ひょえ?ふえ?えふ?え?あ、あの?え?うえ?

 

あれ?あひ?うえ??ふえ?うへ?うへへ…へへへ…

 

 

え?

 

ふえぇぇぇん…ぶるぶる…

 

ぷるんっ

 

ん?うんんんんんっ

 

 

小さい秋み~つけたっ♡

 

 

fin