にっきもどき。

ちんぽから社会問題まで広く扱いますが日記らしい日記はひとつもないらしいです。現場からは以上です。

aurora arkがくれたもの

こんばんわ。はるぎくこです。

たまには真面目に日記を書こうかと思います。といっても過去ですが。

 

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TwitterのトレンドにBUMP OF CHICKENが入った。それは同時に当日に行われていたリリースツアー「aurora ark」が終わったことを表していた。

 

7/10にNEWアルバム「aurora arc」が発売。7/12西武ドームを皮切りに、途中で全国5都市10公演を追加発表、そして11/3・4に行われた東京ドーム公演2DAYSは両日で10万人を動員し、「aurora ark」は終了した。

 

ここでは、BUMP OF CHICKENとの思い出と9/12に行われた京セラドームでの公演を振り返ってみようと思う。その日の動員が3万5000人?くらいなので35000分の1の話。

 

中学2年生の時、兄がTSUTAYAで借りてきたCDの中に「Jupiter」があった。それが最初の出会いだった。それから16年ほどたって「Pathfinder」ツアーで初めてBUMP OF CHICKENのライブに行った。

 

今でこそ、BUMP OF CHICKENの公式Twitterやチャマのアカウントをフォローしてるおかげでリリースやツアー、タイアップなどの情報が入ってくるが、過去ログを漁っているわけではないので現在進行系の彼らしか知らない。

 

今までは藤原基央の言葉を借りれば「また5分くらい俺たちの曲に耳貸して下さい」だけの関係だった。新曲がリリースされるたびに、ラジオだったり、TVのCMだったり、CDショップの特設ポップだったり、それこそ入った喫茶店の有線で流れていたり。

 

なので、必然的に過去のライブがどうだったとか、昔はこうだったみたいなことを人伝いに聴いたことがあるだけで実は全然知らない。だってテレビに出ないんだもん。インターネットがない時代なんて、テレビに出ないだけで、露出0に感じるくらいだった。

 

ライブはもちろん雑誌とかラジオはやってたと思うけど、今みたいに簡単に情報が手に入らない時代なので、テレビの影響力はすごかった。オリコンチャート上位にBUMPが入るたびに、中学生だった僕の簡単な脳みそは「すげぇ!!!かっこいい!!!!」と軽く興奮してた。そのせいで、BUMP OF CHICKENはめちゃくちゃ尖ってるイメージを持ってずっと生きていた。大学生になってなんとなくBUMP OF CHICKENから離れていって去年ライブを初めてみた。シンプルに感動した。初めてあったあの日から16年後に、そのイメージが180度変わることなんて全く想像していなかった。そして今に至る。

 

 

 

日はさかのぼって9/12。京セラドームの2日目。その時、僕のコンディションは最悪だった。仕事、上司、職場の環境への不満やストレスが積み重なりある日突然、心と精神は崩れてしまった。長期休暇を余儀なくされて1ヶ月位たって頃だろう。薬によってそこそこ改善はしていたものの、人混みに行くのも嫌だったし、知り合いに会うのもしんどかった。なにより、こんな状態で楽しめるのか?と不安だった。

 

結局その不安は全くの杞憂で終わることになるをその時の僕はまだ知らない。

 

憂鬱な気持ちを背負って、京セラドームから歩いていける距離にある小さな公園で読書をしながら、開演と一緒に行く友人を待っていた。前日はすごい雨だったが今日は快晴だ。公園では、大学生のグループがドッチビーで遊んでいた。楽しそうにはしゃぐ彼らは自分とは違う世界の人間にすら思えた。それを遠目に、ゆっくりと過ぎていく時間の中でとんでない焦燥感と戦っていた。本の内容は頭に入ってこず、ベンチに座っていろんな事を考えていた。今までのことや、これからの不安、本当に絶望の後に希望なんてくるのか?

 

待ち合わせの時間が近づいてきた。公園を離れて京セラドームに向かう。道中、連絡が来て友人は遅れてくるらしい。また、公園に戻ろうとした時、今度は会社の友達から連絡が来る。この人は僕がBUMPに改めてハマるきっかけを作った人で、よくライブや新曲の感想を言い合っていた数少ないBUMP友達だ。この日のライブも参戦することも知っていた。

 

会社を休んでからずっと心の中にあるのは「申し訳ない気持ち」だった。この気持ちは生きる活力を奪っていく。寝ても覚めても何をしててもついてくる。心が救われる時間は、夢の中くらいだった。

 

なので、こうして今この場にいることすら罪に感じてる僕にとっては、心配して連絡をくれたありがたさよりも、サボって遊んでるところを見つかってしまった。そんな気まずさを覚えた。

 

近くにいることが判明したので、割と悩んだけど謝罪の念も兼ねて会うことにした。お互いの現状報告から始まり、会社のこと、ライブのこと、グッズ何買ったとかそんなことを喋った。わりと上手く話せたような気がしたので、ちょっとだけ気が晴れた。人との関わりを避けていた僕にとっては、ありがたい話だった。

 

その後、お互いの健闘を称え合ってお別れし、ライブ開始まで京セラドームの周りを散歩して過ごした。

 


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会場に入って、座席につく。開演5分前、友達も来た。雑談も少しに、照明が落ちる。「aurora arc」が流れ、前方のビッグスクリーンに円陣を組む彼らがLIVE映像で映し出される。

 

BUMP OF CHICKENのLIVEが始まる。いや、とうとう始まってしまった。この日を楽しみにしてたはずの僕は今ここにはいなかった。全然楽しみじゃなかった。憂鬱だ。どこか晴れない気持ちを背負って、さっきまでここに立っていた。

 

だが、今はどうだろう。一人ひとりが登場するたびに、ステージを、スクリーンを見る目が変わっていく。自分の中で久しぶりの感情が芽生えてくる。なんだろうこれ。懐かしい。あ、これ知ってる。楽しいだ!さっきまでの憂鬱が徐々に消えて、楽しくなっていた。LIVEが始まったんだ。

 

4人が出揃い、1曲目「aurora」の演奏が始まる。手首にはめたピクシモブが光る。その一つ一つが会場に色とりどりの光をもたらし彼らを、そして僕らをLIVEの中へ誘っていく。熱のこもった歓声が上がり、会場の空気が変わっていく。光り輝くレーザービームは、会場と心の中を虹色に照らしてくる。

 

「虹を待つ人」から「天体観測」と歌える曲が続く。僕が見たLIVEでは「天体観測」は序盤に絶対やる。後半にやりそうなのに絶対前半にやる。チャマは「今日初めてBUMP OF CHICKENのLIVE見る人!」と僕たちに問いかける。それなりの人数が返事をする。そんな彼らの中には、付き添いでたまたま来て全然BUMPなんか知らない人もいるだろう。そういう人でも絶対知ってるのでは?そういう人でも楽しめるようにこの曲を前半に持ってきてるのでは?といつも思う。なんていうか、優しい

 

チャマが5弦ベースに持ち替えて「シリウス」が始まった。途中炎が上がる演出があって過激だ!!!!と思った。「車輪の唄」で高校生の時に記憶が蘇ってくる。軽音楽部の同級生がこの曲が弾きたい為にマンドリンを購入して教室の隅で弾いていた。徐々にうまくなっていくそれはいつの日か完璧に弾けるようになっていた。それは風の強い日で、教室のカーテンが大きく揺れていた気がする。ひでちゃんの軽快なビートと共に駆け抜けて青春。

 

「Butterfly」では、心が踊っていく。LIVE映えする曲だ。イントロで七色の光線が会場を照らす。飛び跳ねるように踊りたいけど、ドームでは踊れないから横ノリで楽しむ。ステージ上では、その分チャマが、ヒロが、そしてフジくんがぴょんぴょんはねている。そしてなんだか泣きそうになる。今まで行ったLIVEの記憶が浮かんで、そういえばいつも後半にやるから終わってほしくないという気持ちが出てきてるのかもな。

 

「記念撮影」「話がしたいよ」としっとりとした曲が続く。星や空、宇宙や天気、そして現実とファンタジーの間にあるような曖昧な世界で作られたような歌、そういう曲が結構ある中で、「話がしたいよ」はかなりリアルな歌だ。

 

きっと会場にいる殆どの藤原基央フリークは、通勤、通学のバスを待っている間、何度もこの曲を聴いただろう。そして、どれだけ大切な人を思い出して、この曲と重ねたんだろう。「君の好きな匂い忘れたくないよ」なんて言われた日には頭がおかしくなりそうです。実際この時は感涙状態で頭おかしくなってました。はぁぁぁぁぁぁ。

 

もうあと半分だ。そんな話になって、スタンド近くに設置された出島に移動。

「真っ赤な空を見ただろうか」「リボン」を演奏。前日はここで「ダイヤモンド」をやったんですよ、と友人に言われて興奮した。普段より近い位置で演奏。そしてドッチビーを観客席に投げる。あと、ひでちゃんが喋った。LIVEではほとんど喋らないのに喋った。

 

アリーナの観客たちとタッチしながら移動する。黄色い声援が飛ぶ。数年前に見た嵐のLIVEを思い出した。そういえばその時も京セラドームだった。あれ?これジャニーズですか?一瞬錯覚するが違う。ロックバンドだ。チキンジョージとかでライブしてたBUMP OF CHICKENだ。

 

ステージにまた戻っていく。遠回りして車椅子で来てくれた観客とも握手を交わす藤原基央をみて温かい気持ちになる。

 

そしてここでまた「aurora arc」が流れる、後半戦スタートの合図だ。

 

「望遠のテーマ」希望があるから絶望があって、だから絶望でもその先には希望がある。良いこともあれば、悪いこともあって、そういうことがある世界を僕たちは進んでいく。今の僕が絶望ならば、きっと希望があるんだろう。そういうことを歌った曲だ。

 

これだけ心を見透かされたような気持ちになっているのに、藤原基央は絶対自分のために曲を作っていない。あまりにも当たり前の現実が頭をよぎる。他人が作った曲に自分を重ねることが僕たちリスナーの仕事だったとしたらあまりにも近すぎて遠く感じる。そんな気持ちにもなる。

そんな中、藤原基央が叫ぶ。「ぼーっと聴いてんじゃねぇよ!お前のために歌ってんだよ!」そんなことを叫ぶ。なんだ?メンタリストか?心はまた踊る。

 

そして「GO」だ。サーカスが来たってはしゃいでる。チケットを持った僕たちは音のサーカスを見に今日集まった。Pathfinderではいつも最初にやっていた曲だ。後半戦が始まって2曲目、不安で頭がいっぱいだった自分は今もうこの場にいない。

 

「spica」。ピクシモブの光が後ろから前に向かって光っては消えていく。蛍のように繊細でその小さな光はまるで吸い込まれていくかのようにスクリーンに向かっていく。画面上に登っていったその光は「いってきます」とつぶやいて消えていく。

 

「ray」が始まった。会場は今日一番か?と思うほどに揺れる。ヒロのギターソロが終わり、Cメロへ。会場の半分が以上がきっと空を見上げる準備をする。「○×△」がドーム上空に照らされる。これを探すのももはや定番と言っても良い。手を叩くタイミングもバッチリだ。あぁ、生きることは最高だな!なんてことを考えている。

 

そのままの勢いで「新世界」へ突入。あ、さっきのは嘘。きっとこれが今日一番だ!そう革新する。ロッテとコラボしたMVがスクリーンに映し出される。あぁ、目が足りない。どう考えても目が足りない。もう不安とかない。頭の中が、希望で満ちている。ベイビー・アイラブユーだぜ!なんだろう。これほど真っ直ぐなラブソングは今までなかったし、近年のBUMPは、全体的に星空のようにキラキラしたサウンド多い中で、これはまた新しい顔を見せてくれた。そういう感想です。もう一回やってほしい!そういう願望に会場の3万5000人の脳みそが揺れた支配された瞬間では?と思った。


興奮が冷めないままラスト2曲の演奏が始まる。「supernova」「流れ星の正体」。ここまで過ごしてきた中で、自分の中の悩みとか考え、いうなれば存在さえも広い世界から見たら取るに足らないほど実はすごいちっぽけなもので、それでも自分にとってはそれが世界であるわけで。全員が笑っていられるような世界はどうあがいても無理、どこにもない。だから前に進んでいくしかないわけで。そういう人にも届いてほしい。逃げ込んだ毛布の内側にまで届いてほしい。

 

ライブ本編の締めは、今日元気じゃなかった人を励ましてくれたようなそういう曲順だった。

 

手を振って頭を下げてステージから去っていく4人。会場はアンコールを願う大合唱が、彼らの再登場をまだかまだかと続いていく。

 

そして再登場。チャマがiPhoneでインスタ用の映像を取ったり、恒例の物販紹介だったり、楽しい時間が続く。

 

今日一日、フロント3人はステージ中央に伸びた花道を何度も出ては曲が戻るたびにダッシュで帰ってきた。部活のシャトルランみたいだねとはしゃぐ姿は、まるで高校生で、彼ら4人が幼馴染であることを思い出させてくれる。仲いいな~

 

 

アンコールは「バイバイサンキュー」「ガラスのブルース」の2曲だった。

「バイバイサンキュー」は天体観測のカップリング曲で、MDで擦り切れるほど聴いた。今でも歌詞ちゃんと覚えてるよ。なんと11年ぶりにやるって。16年前の自分にも教えてあげたい。お前ライブでその曲見るよって。

 

ガラスのブルースの大合唱を経てライブは終了。何度も頭を下げて手を降ってみんな帰っていく。フジくんが喋る。すっごい喋る。今日楽しみにしてた人、明日からまた仕事で不安になってる人、今調子が悪くて元気がない人…いっつも一人ひとりに問いかけてくれる。なんだよ。こんなだめな俺にまで気を使ってくれるんかよ。憂鬱が吹き飛んだよ。ありがとう。

 

今日という日が終わってそれぞれの日常に帰っていく。次に会える時はいつかわからない。それでも藤原基央がいう「明日からまたお互いに日常を生きて、俺たちもまた音楽頑張るからどこかでまた5分ちょっと俺たちに時間ください」そんな日が信じてまた生きてあげても良いかなって。

 

その言葉は温かくて、一言一言が宝物のように思える。言い方悪いかもしれないけどBUMP OF CHICKENってやっぱオタクなんですよ。ちょっと根暗で教室の隅でコソコソやってるような人たちが、そのまま世の中に出てきたんですよ。だから、本質的には目立つのも嫌いなんじゃないかなって。贅沢したいとかモテたいとかそういうことじゃなくて、きっと自分たち4人がいればそれだけで楽しいし、自分たちに期待してくる人がいる、そういう人たちに良いものを届けたいって気持ちでやってるのかもしれない。いやわかんないけど。でもなんかそんな気がする。だからなんか存在を近く感じるのかもしれない。

 

 とにかくその日で僕の憂鬱は恐ろしいくらいに改善された。頭の中を支配してたもやもやが吹き飛んだ。重い体を引きずってでも行ってよかった。心からそう思う。明日からまた生きていこうという活力にもなった。飯もうまい。夢の中しか楽しくなかった僕は、今日ここで夢みたいな時間を過ごすことができた。また仕事頑張ってライブ行きたいな!そういう気持ちになれた一日でした。

 

 

 

ということでなんでか今更記憶を引っ張り出して文字にしてみると何言ってんだ。って感じなんですが、良かったことも悪かったことも全部含めて自分なんだと認めることから始めていこうかと思います。

 

次のツアーはいつになるだろう。その時はきっと今より元気で楽しくやってるはずだと信じて明日からまた生きていきます。

 

皆さんにさちあれ!

 

fin